熱い舌が、唇に触れる。
荒い吐息が室内に響くと、滝夜叉丸の下肢をずんと重くした。
「せんぱ・・・い」
少し開いた歯列の奥、赤い舌が扇情的で目が眩む。
そっと誘い出すようにチロリと上あごをなぞれば、ビクリと震える身体。
まだ細い滝夜叉丸の腕が、小平太の背中に回される。
着物越しにも分かる、熱を持った逞しい背中。
荒々しくも、優しい舌に犯される口内。
時折呼ばれる名前に、滝夜叉丸は震えた。
「滝・・・滝・・。」
少しかすれた熱の篭る声は、艶めいて。
ぞくぞくと背を走るのは甘い疼き。
脳天にまで届いた疼きは、全身を振るわせた。
「せ、先輩・・・わた・・し、変です・・・。」
小平太の肩を掴み、涙を溜めた目が不安そうに揺らめく。
その表情に、ごくりと喉がなる。
「滝夜叉丸・・・・どこがどう変なんだ?私には全部可愛くて仕方ないんだが。」
目を細めて微笑んだ小平太。
少し皺のよった目じりが、妙に可愛くて。
滝夜叉丸もふっと微笑んだ。
「先輩・・・すき・・好きです。」
しがみついて顔を隠した滝夜叉丸の、可愛い告白に小平太の頬は緩みっぱなしとなった。
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