今日は・・・トップに長仙描いてるので長仙で行きます!
「長次!これを着てくれ!」
仙蔵が嬉々として手渡してきたのは、中華服・・・・のようなもの。
これを着ろとは、一体どう言う意味なのか?
受け取った服から顔を上げ、ニコニコ笑う仙蔵に訝しげな視線を向けた。
「あ!何でこんな服を着るんだ?って思ってるんだろ!」
「ああ」
良くぞ聞いてくれた!
そう言わんばかりに胸を張る仙蔵。
これは、断るタイミングを逃してしまったかもしれない。
長次は無表情の下で少し焦る。
「これはね!伝七が買ってきた雑誌に載っていた服を、藤内が作ったんだ!」
「・・・・・どんな雑誌だ?」
「あにめ〇じゅ」
「・・・・・。」
それは置いといて、こんな服を作らされた生真面目そうな仙蔵の後輩に、長次は申し訳なさでいっぱいになる。
「じゃ、着替えよう!」
ご機嫌の仙蔵から逃れられる訳もなく、長次は読みかけの本にしおりを挟んで立ち上がった。
「はぁぁ・・・罪だな。これはもう大罪だぞ長次!」
サラリと綺麗な黒髪をなびかせ、鏡の前でご満悦の仙蔵。
「何を着ても似合ってしまう・・・なぁ、長次?」
にっこりと微笑み、仙蔵は長次を振り返る。
「な!長次!カッコよすぎるだろう!ああ!お前も罪作りだな!」
ぎゅっとしがみ付いてくる仙蔵を抱きとめ、長次はいつもよりぴったりとした服に戸惑う。
「なぁ、長次。私はどうだ?」
甘えた声で問いかけてくるその姿は、惚れた弱みを抜いても可愛いものだった。
「可愛い・・・」
「本当か!!!」
ぱぁぁっと花が開くように顔をほころばせた仙蔵に、長次も自然と片笑んだ。
「良く似合っている。」
「長次・・・・大好きだ」
鍛えられた胸に頬を摺り寄せ、うっとりと目を閉じた。
「それで・・・・俺たちはいつまであのバカップルを見学していなければいけないんだ?」
文次郎の疲れきった表情に、この時ばかりは留三郎も頷いた。
「何より、断れよ長次。」
「そうだ、仙蔵のつまらん我侭なんぞ断ってしまえばいいんだ。」
「でもそれが出来ないのが、長次の惚れた弱みってやつでしょ?」
「伊作の言うとおり!文次郎だって、三木ヱ門におねだりされたら結局言う事聞くんじゃねーの?」
「小平太!三木ヱ門はな、そんな我侭など言わん!」
「言わないのが普通だ。」
「留三郎だって伊作のあんな姿見たくない?」
「ちょ!小平太!」
「・・・・・・・・・・」
「留さん!なんで反論しないの!見たい訳!?」
「ち、ちが!伊作!」
「あっははははは~。私はあれ借りて滝に着せようかなぁ?」
「お前らいい加減にしろ!!!!長次!仙蔵!良いからもう着替えろ!って・・・・・!」
「ん・・・ちょうじ・・・ちゅ」
「・・・・・・・」
「「いちゃついてんじゃねぇよぉぉ!!!!!!!!」」
文次郎と留三郎の揃った怒号も気にしない、仙蔵と長次。
こんな時だけ気が合うんだなーと、鷹揚に笑う小平太。
何だかもう疲れちゃったよーと、ため息をつく伊作。
6年長屋は今日も賑やかだった。
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