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錆浅葱

小話とアニメ感想
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竹孫に初挑戦^^;

某Nしだ様のお陰で、竹孫にどっぷり足を突っ込みました。(笑)
もう、これ以上好きなカプ増やしてどうするんだか。^^;
でも好きだ!!!
明日辺り、ブクマ整理します。
どんと大好きサイト様が増えてると思います。(笑)



*~*~*~*~*~*~*~*~


命の終わりを看取るというのは、刹那くて哀しいものだ。
後輩達は皆目を背けたがる。
「ほら、ちゃんと手を合せてあげるんだ。」
小さな肩を押し、出来たばかりの小さな塚の前に並ばせる。
ボロボロとおおきな涙をこぼしながら、井桁模様の制服に身を包んだ後輩達は素直に従った。
手を合わせ、肩を揺らす。

死んだのは、一匹のウサギ。

怪我をして、動けなくなっていたウサギを孫兵が拾ってきたのだ。
その愛らしさも相まって、後輩達は甲斐甲斐しく世話をしていた。
一時は回復してきたように思えたのだが・・・。
思いのほか体力を消耗していたのだろう。
静かに息を引き取った。
朝エサをやりに来た一平が、冷たく横たわる死骸に動揺し泣きながら食堂に来たときには驚いた。
慌てて全員で見に行けば、昨日の夜までエサを食んでいた茶色の野ウサギの動かない姿。
あんなに温かかった身体は、ぞっとする程冷たくて固い。
泣きじゃくる一年生の姿に、余計に気が重くなった。
「命は限りがある。だからこそ、絶対に無益な殺生はしちゃいかんのだ。こいつは、それをお前達に教えに来てくれたんだよ。」
分かるね?
静かに問いかければ、真っ直ぐな目が頷く。
しっかりと、力強く。
「よし、じゃあお前達はもう行きなさい。授業が始まるだろう?」
「はい。」
「失礼します・・・。」
「・・・・・。」
とぼとぼと教室へ向かう四人の背中が、いつも以上に小さく思えた。
これも、いずれ経験する事。
命との別れ。
ここを卒業して、忍者になるなら・・・。
自らの手で奪ってしまうかも知れぬ、命の重み。
知ってもらいたい、例え今は辛くても。
きっと、あいつらならちゃんと分かるはずだから。
「先輩・・・」
「ん・・・。お前もよく我慢したな。」
後回しにして、ごめんな。
そっと孫兵の頭を自分の胸に押し当てた。
「お前は、人一倍命に真摯に向き合うから。陳腐な慰めなどいらんだろう?」
すべて、すべて解っているお前には言葉は要らない。
ただ必要なのは。
「先輩・・・・・助けたかったですっ・・・・・・!」
力なく、孫兵の腕に抱かれていたウサギ。
手負いの獣は、普通人には触れる事など出来ない。
だが、それを許させた孫兵。
それは確かに。
「お前の思いが、通じていたんだ。しっかりと、あのウサギに。」
「・・・・・・・っ!」
「いいんだよ、孫兵。お前は何も、間違っちゃいない。もう、頑張らなくていいんだ。」



お前がした事に、誰も答えなど出せない。
正しだとか、間違いだとか。
それは、数式のように絶対の正解があるものじゃないから。
だから私は、お前を肯定し続ける。
否定するものから、お前を守るよ。


優しい孫兵。
命の厳しさを知っている孫兵。
刹那さを、哀しみを、愛しさを知っている孫兵。
ずっと目を逸らす事無く見つめてきたお前を、私は見てきた。

その背が支えを欲している時には、すかさず手を伸ばそう。


だって。




そんな愛し方とて、れっきとした恋じゃないか。
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自己紹介:
忍たま出戻り組。以前は伝半・清団でしたが今回はこへ滝にすっころぶ。その勢いで文三木や長仙・留伊・雑伊が気になり始めました。(気が多い)
毎日夕方10分間の為に、色々と頑張れる。

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