短くてごめんなさい。(^^;)
そして何か綾滝っぽいです、百合っぽいです。(笑)
です・・・。(-v-;)
「滝夜叉丸は~、あれだよね。あれ。」
「口を開く前に考えをまとめておけ、喜八郎。」
冷たい声音にくすんと泣きまねをした喜八郎の頭をぺちりと叩き、滝夜叉丸は拗ねたその頬をつねった。
「で?私がなんなんだ?」
呆れながらも話を聞こうとしてくれる滝夜叉丸に、喜八郎は嬉しそうに笑う。
「あのね、あのね。昨日の夜滝の横顔見てさ、思ったんだよね~。」
「何を?」
腕にしがみついて甘えてくる喜八郎の頭を、無意識に撫でる滝夜叉丸。
気付いていないのかもしれないが、滝夜叉丸は喜八郎のふわふわの髪を気に入っているようだ。
感触を楽しむように髪を梳く手に、心地よさそうに目を閉じた。
「滝はね、雨夜の月だね。」
「・・・・・・・・・どう言う意味だ?」
「あれぇ。珍しい、滝に知らないことがあるとは!」
「意味は知ってる!どう言う意味でそれを私に当てはめるのかを聞いている。」
「ん?そのまんまさ。雨雲に隠れた月だよ。綺麗な月、でも雲に隠れてる。まるで滝夜叉丸じゃない。」
「私は別に雨雲に隠れたりしてないぞ・・・。」
むっと顔を顰め、納得いかないと言った様に喜八郎の鼻をつまむ。
「らってさ、らきってば人と一定のひょりを取るれしょ?」
「何?」
ぎゅむっと更に強く鼻をつまむ滝夜叉丸の手を解き、喜八郎はすんすんと何度か鼻をすする。
「滝は、わざと自慢話して他人と一定の距離をとろうとするじゃないか。それが雨雲だよ。」
ふふふ~と楽しげに笑い、喜八郎は滝夜叉丸の膝に頭を乗せて寝転がる。
「でも私は知ってる。滝夜叉丸がこんなに綺麗な月だって事を。」
手を伸ばし、滝夜叉丸の頬を撫でると寄せられていた眉間の皺が幾分和らいだ。
「月ならお前の方が似合うぞ、喜八郎。」
委員会の後輩達をあやすように、ポンポンと胸を優しく叩く。
その優しい振動と滝夜叉丸の温もりが心地よく、喜八郎はそっと目を閉じた。
「お前は寒月が良く似合う、冬の切れるような空気に栄える月白。」
「何それ、私が冷たいって事?」
拗ねた声をあげるが、その顔は眠気が勝っている。
あどけない表情に微笑み、頭を撫でてやれば喜八郎の体から力が抜けていく。
「寒々しい寒風の中、柔らかく照らす寒月を私は好きだぞ。」
そう言うと、満足そうに微笑み喜八郎は眠りに落ちていった。
すーすーと無防備な寝息が響く頃、滝夜叉丸にも眠気が襲ってくる。
「・・・雨夜の月か。」
それでもいいのさ、雨雲を払ってくれる人が居るから。
「お前や・・・・あの人が居るから。」
月は輝ける。
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