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錆浅葱

小話とアニメ感想
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うそー

忍者の不具合で小話書けないな~なんて思ってたら、いきなり復活してた^^;
うちだけ?うちだけが悪かったの?
メンテまだなのになんでだろう?って思ってましたよ^^;

えーと。
風邪引いたので、風邪引いた滝の独り言。
間に合わせ感ムンムンですが、許してください。





熱い。
身体がかっかと燃えるようだ。
熱で潤んだ視界は、ぼんやりとぼやけてイライラする。
「大丈夫かい?自惚れや。」
間延びした色のない声がふってきた。
「喜八郎・・・病人に嫌味とは感心しないな。」
がらがらの声で反論しても、なんとも格好の付かない事か。
「ふふ、弱ってる滝は好きだよ。大人しくて可愛いじゃないか。」
「可愛いなんて嬉しくない。」
「そう?あの人に言われたら、嬉しいんじゃないの?」
細められた三日月のような目が、痛む頭に響く。
「煩い。お前おちょくりたいなら出て行け。」
「ここは私の部屋でもあるんだけどねぇ?」
楽しそうにコロコロと笑い、喜八郎は冷たい手ぬぐいを額に乗せた。
「ほら、こんなに熱くなって。全くもう、委員会で無茶するからだよ。」
それで怒っているのか。
相変わらず変な所で過保護だ。
「滝夜叉丸、こんなに冷え込んだってのに遅くまで川下りって、風邪ひいいて下さいって言っている様なものだと思わないのかい?」
心底呆れきった声が耳に痛い。
「分かってはいるが・・・」
「あの委員長には逆らえないって事か・・・厄介なお人だね。」

だから大嫌いなんだ。

聞こえてしまう喜八郎の胸のうち。
喜八郎の言う事ももっともだ。
だが・・・。
「そんな泣きそうな顔しなくてもいいでしょう?愚痴の一つぐらい言わせてよ。」
困った顔で苦笑し、喜八郎は摩り下ろしたりんごを匙で食べさせてくれた。
「滝は本当にあの人にベタ惚れで、私が大好きなんだな。」
「な!げほごほっ!」
喜八郎の一言に、大いにむせ返ってしまう。
なんていうことを言うのか!
息ぐるしさで目眩がする。
「大丈夫?全くもう・・・。」
「お前が変な事を言うからだ!!!」
「変なことねぇ・・。大好きな七松先輩のことを、信頼してる私が嫌う事が凄く悲しいくせに。」
「うっ・・・。」
「病人を苛めるなんて事したくないよ、もう何も言わないから寝なよ。」
そう言うと、喜八郎は優しいくて冷たい手で私の頭をなで始めた。
「明日になれば治るさ。治らなかったら私が現況をここに連れて来て甘い看病をさせてあげるよ。」
「!!!」
「はいはい寝る寝る!」
にっこりと満足いったように笑い、喜八郎はそっと瞼を覆った。
「おやすみ滝夜叉丸、早く元気におなり。」
いつにない優しい声は、眠気を誘うには充分だ。
「・・・・・・ありがとう」
心地よい振動と、冷たい手ぬぐい。
熱の篭ったため息を一つついて、まどろみに落ちていった。



翌日、喜八郎に連れられて来た七松先輩が説教をされた。
私の隣で正座をして、しょんぼりと肩を落とす姿は可哀相だけど可愛かった。
「ほら、滝夜叉丸に謝りなさい!」
「す、すまん!」
「本気で反省していますか!」
「してるって!」
「怪しい・・・」
「ちょ、綾部!滝夜叉丸、私ちゃんと反省してるよね?」
「心が篭ってない!」
「喜八郎、いい加減に・・・」
「だまらっしゃい!滝はこの人に甘すぎる!」
「あ、綾部・・・お前は小姑か?」
「それも良し!」
「喜八郎・・・」
「綾部・・・・」

滝夜叉丸の風邪は、その翌日には完全に治ったのだった。

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プロフィール

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ハヂ
性別:
女性
自己紹介:
忍たま出戻り組。以前は伝半・清団でしたが今回はこへ滝にすっころぶ。その勢いで文三木や長仙・留伊・雑伊が気になり始めました。(気が多い)
毎日夕方10分間の為に、色々と頑張れる。

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