体育委員会話です。
今日は小説を更新したので、短いです。(^^;)
すみません。(--;)
次屋がいなくなる。
こんな事は日常茶飯事だ。
あの無自覚迷子め!
いらいらと苦虫を噛み潰した顔で、滝夜叉丸は裏山を走り抜ける。
金吾と四郎兵衛には自分のペースで頂上を目指せと言いつけてきた。
小平太はいつもの暴走で、とっととその姿は消えうせている。
このまま次屋をほったらかしにする訳にはいかない。
次屋を追い掛け回すのに慣れている滝夜叉丸には、大体のパターンが読める。
めぼしい場所を思い浮かべ、滝夜叉丸はかける足を速めた。
その時。
がさがさと茂みが蠢いた。
そして、一瞬見えた着物の色。
あれは三年生の青丹色。
「そこか!三之助ぇぇ!!!!」
ダッと地を蹴り上げ、飛び掛るようにして腕を伸ばした滝夜叉丸。
その手には、がっちりと掴まれた着物の襟。
よし!捕まえた!!
そう思い、引っ張り上げた滝夜叉丸の前。
現れたのは、確かに青丹色の着物。
しかし。
「でぇえええ?」
いきなり引っ張り上げられ、妙な奇声を上げて驚くのは3年生の名物迷子。
「か、神崎左門・・・・・」
いら。
滝夜叉丸の血管が切れた。
「な、なんでお前!え?ああ?」
もう何だか訳が分からない滝夜叉丸の耳に響いたのは、同級生の疲れた声。
左門をつかんだまま、振り返れば名物のそろばんを抱えた三木ヱ門。
そのもう片方の手には、引き摺られる青丹色の着物。
同じように呆けた顔で首をかしげる三之助の姿だった。
三之助を差し出し、三木ヱ門は疲れの濃い顔で少し笑う。
「トレードだ・・・。」
同じように疲れきったため息を吐き、滝夜叉丸は左門を差し出す。
「おう。」
顔を付き合わせた二人の迷子は、人の苦労も知らずに嬉しそうに顔をほころばせた。
「よお!」
「やっ!」
挨拶してる場合じゃねーよ。
この時ばかりは互いの労をねぎらい合う滝夜叉丸と、三木ヱ門だった。
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