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錆浅葱

小話とアニメ感想
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バサラの声はこへの声!

バサラの声を聞くと、もう頭が「小平太~❤」となってしまう。
なんて馬鹿。^^;
神奈さん歌も上手いから、7の時も本人が歌っても良かったような?
と、贅沢な事を考えてしまいました。(笑)
でも。
小平太は、音痴の方がかわいい!
今日は、勝手にそう思った小話です!


++++++++++++++++++++++++++++++

子守唄とは、元来母親が子供を寝かしつける為に歌うもの。
それは穏やかで、温かで。
ゆっくりと眠気を誘うものだ。
だが。
あの人が紡ぐ子守唄は、到底それとは似ても似つかないもの。
あやしているつもりなのだろうが、胸をポンポンと叩く手は力が強すぎる。
金吾は3発目、四郎兵衛は5発目、三之助は何とか上級生の意地で12発目を堪えているが、前者の二人同様もうすぐ意識が落ちてしまいそうだ。
白目を剥いた後輩二人を、眠ったと勘違いできる前向きさが今は恨めしい。
大声で、しかも音程など関係ない歌声。
と言うか、叫び声。
もはや皆が良く知るあの歌は、先輩のオリジナルになってしまった。
「うっ・・・・」
とうとう三之助が15発目で落ちてしまった。
良く頑張った、良く頑張ったぞ三之助。
俺はお前の勇姿を忘れない。
ひっそりと涙を拭った私を振り返り、嬉しそうににっこりと微笑む。
「みんな寝ちまった。」
いや、先輩が落としたんですけどね。
「ようし!次は滝夜叉丸、お前だ!」
そう言って、先輩は自分の隣にスペースを作る。
そしてポンポンと畳を叩いた。
そこに寝ろと言うのですか?
私にあの歌と、激しいポンポンを受けろと言うのですか?
じょ、冗談じゃない!
何ですか、その嬉しそうな、楽しそうな顔は!
無邪気な顔をすれば許されると思ったら、思ったら・・・・大間違いです!
「せ、せんぱい・・・、わたしは・・・」
「ん?どうした~?早くおいで?」
首をかしげて手招きする姿は、いつも横暴で強引な先輩には見えない。
ここで嫌だと断ったら、あの笑顔は曇ってしまうのだろうか?
うう、一体どうしたら・・・・。
「滝夜叉丸~?」
ちょっと寂しそうに眉尻を下げる先輩に、白旗を揚げそうになる。
だが・・・。
白目を剥いた三人の後輩の姿に、思わず背筋が震えた。
だめだ、私までああなってしまったら明日の朝皆無事に授業を受けられるか分からない。
先輩は意外と目覚めが悪い。
何度起こしても起きないし、無理に起こそうとすると反撃される。
それで一度顔に大痣を作ったことがあるのだ、三之助が。
私は寸でで避けたが・・・・。
もし私までが気を失ってしまったら、一体誰がこの無法地帯に朝を伝えるのだ?
下手すれば、体育委員会全員が遅刻だ!
考えろ滝夜叉丸!
優秀なこの頭夜働け!
先輩の好意を無下にせずに、それでいて回避できる方法を!
「ほら、滝夜叉丸も寝るぞ~」
ふあっとあくびをしながら呼びかける先輩に、ハッとした。
さすが私!
この私の頭脳ならば、やはり不可能はないな!
「先輩!三人に子守唄を歌って下さったのだから、今度は私が先輩に子守唄を歌います!」
「ん?滝夜叉丸が?」
「はい!」
なんていい考えだ!
私の美声で先輩を先に眠らせればいいのだ!
そうすれば私がきちんと朝目覚め、皆を起こすことが出来る。
我ながら感心するな。
いそいそと隣に滑り込み、ぽんぽんと先輩の胸を叩いた。
が、その手はすぐに先輩の無骨な手に阻まれる。
「せ、せんぱい?」
あれ?何か・・・
「滝夜叉丸の子守唄だろ?」
「んむぅ!」
あれ!?何で私は先輩に口付けられてるんだ!?
「ん!んん!」
何考えてるんですか!隣には・・隣にはぁぁぁぁ!
「んんはっ!先輩!みんないるんですよ!」
「ん?だって滝夜叉丸の子守唄って、あの時のいい声のことじゃないのか?」
にやりと笑う先輩に、私の背中は冷や汗でだらだらだ。
しまった・・・この私が策に嵌ってしまった!!!
「滝。顔が赤いぞ?可愛いな・・・・。」
艶っぽい声と、熱い眼差し。
これは、本格的にヤバイ!!!
「先輩駄目ですよ!絶対駄目ですからね!」
のしかかってくる先輩は、私の制止など物ともしない。
それもそうだ、この人に私の道理が通じたためしなどないのだから!
熱い唇と、吐息、甘い囁き。
そんな声で、名を呼ばれたら逆らえなくなる!
「滝・・・好きだよ・・。」
「だ・・・め・・先輩・・んっ!」
広い胸と逞しい腕に抱きしめられ、ドンドン逆らう力を奪われていく。
いつだって、こうやって流されるんだ。
この人は、まるで激流のよう。



「好きだ、滝夜叉丸・・・・」



そんな魔法の一言で、簡単に私を流してしまう愛しい激流。
今夜もまた、翻弄されてしまう。
荒々しくも優しい波に攫われ、結局私たちは全員遅刻をする羽目になったのだった。

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忍たま出戻り組。以前は伝半・清団でしたが今回はこへ滝にすっころぶ。その勢いで文三木や長仙・留伊・雑伊が気になり始めました。(気が多い)
毎日夕方10分間の為に、色々と頑張れる。

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