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錆浅葱

小話とアニメ感想
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明日で仕事納め!!

やっと仕事納めです。+゚(゚´Д`゚)゚+。
6連休になるので、原稿進めたい^^;
冬コミ始まったみたいですね~~
ああー!久しぶりに本買いたい!!!
休みの間に原稿の目処つけて、マクロス7も全部見たいと思います。(笑)
駄目な正月過ごしてやる!!!!!。+゚(゚´Д`゚)゚+。


では、今日の小話!

+++++++++++++++++++++++++++++

「あ、トンボだー!」
団蔵の声に、佐吉が顔を上げる。
「部屋に入ってきちゃったな。」
困ったように眉を顰めるのは、佐吉の癖。
実はそんな情けない顔が、少し可愛い・・・なんて思ってしまうのは秘密だ。
後輩が可愛い・・・そんな気持ち、あんまり分からないと思っていた。
いつも張り合っているあいつの、委員会での態度の違いに、馬鹿にして笑うよりも引きつってしまったほどだ。
それなのに。
気が付けば、同じように後輩たちを贔屓してる自分がいて。
ついつい甘やかしていた。
帳簿の数字が合わず、泣きながら居残る団蔵が可哀相で一緒に居残りしたり。
うつらうつらと舟をこぐ佐吉が机に頭をぶつけそうになったら、思わず手を出して支えてやったり。
眠っていないと言いながら寝ている左門の帳簿を抜き取り、代わりに仕上げてやったり。
潮江先輩に見つかれば、怒られてしまいそうなことばかりしている。
でも、見ていられないんだ。
あいつらが頑張ってるのは知ってるから。





「それで良いんじゃないのか?」


大きな掌が、頭をなでてくれる。
それは、本当に心地よくて。
流れていた涙が、すぐに引っ込んでしまう。
『先輩!何でも手伝わないで下さい!』
そう言われた後、気付けば胸が痛んだ。
あいつらが自分の仕事を全うしようとする気持ちは、最もで凄く大事なことだと思う。
正しい事を言っている、なのにこの胸は酷く軋んだ。
一人取り残された委員会室、ぼたりと涙が零れた。
恥ずかしくて、情けなくて。
でも、一番は。
凄く寂しかった。
それを知ってる掌は、泣きじゃくる私の背をずっと撫でてくれた。
「あいつらは、お前に甘えたい気持ちと、お前に迷惑をかけたくないと言う気持ちの狭間で揺らいでるのさ。
不器用だから、上手く言葉に出来ないだけだ。そんな疲れた顔をしているお前に、休んで欲しいと言いたかったんだよ。」
「疲れてなど・・・」
「実習明けだったんだろう?」
確かにそうだった。
あまり寝てもいないし、正直身体も重い。
でも、今日委員会がある事は凄く嬉しかった。
同級生達の中にいる時とは違う、温かさがあるから。
「身体が疲れている時には、心も疲れているんだぞ?いつものお前なら、きっとあいつらの素っ気無い言葉の裏にある気持ち、気付いていたよ。今日はもう、ゆっくり休むんだ。」
優しい声と笑顔の先輩に、そっと抱きついて頷いた。
こんな時、先輩がやっぱり大人に見える。
広い背中も、逞しい胸も、温かく包んでくれる腕も、大好きだ。
「先輩・・・・もうちょっとだけ、こうしてても良いですか?」
今日ぐらいは、甘えてもいいですよね?
伺うように見上げた先輩の頬は、少し赤い。
恥かしさを誤魔化すようにため息をつき、頷いてくれた。
「好きにしろ・・・・だが、俺の理性が保たれてる間だけだぞ。」
「・・・・・その後は、駄目ですか?」
「なっ!!!さ、さ、誘うな!」
慌てふためく先輩がおかしくて、気付けば声を上げて笑っていた。
むっと顔を顰めた先輩から、拳骨を貰ってしまったが何てことはない。
それ以上のものを、先輩がくれたから。
もう一度先輩の胸に飛び込み、思いっきり抱きついた。


委員会室に入ってきたトンボは、佐吉と団蔵の救出活動から逃げ回り、天井に張り付いて動かない。
挙句虫取り網を借りに行った左門は、期待通り迷っているようで帰ってこない。
先輩が来られるまでに仕上ておかねばならない帳簿も、ほったらかしだと言うのに。
「せ、せんぱぁ~い・・・・」
「あの・・・」
心許ない声が、私を呼ぶ。
帳簿から顔を上げれば、情けない顔をした団蔵と佐吉。
モジモジと袖口を弄りながら、言いにくそうに口ごもる。
互いに目を合わせ、肘を小突き合わせる姿に思わず吹き出しそうになった。
『先輩!何でも手伝わないで下さい!』
そう言ってしまった手前、簡単に手伝ってくれとは言えないのだろう。
なんて可愛くて、馬鹿なんだ。
ふっと笑い、二人の頭をなでてやる。
「私が肩車するから、どちらかが捕まえろよ?」
しくじるなよ?と意地悪に笑いかければ、嬉しそうに頷いた団蔵と佐吉。
ああ、駄目だ。
顔がにやけてしまう。
やっぱり後輩は、可愛いもんだ!



その後。
無事にトンボを救出した私たちは、真っ白な帳簿を見た先輩に怒鳴られたのだった。


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忍たま出戻り組。以前は伝半・清団でしたが今回はこへ滝にすっころぶ。その勢いで文三木や長仙・留伊・雑伊が気になり始めました。(気が多い)
毎日夕方10分間の為に、色々と頑張れる。

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