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錆浅葱

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滝夜叉丸の夏休み4

捏造もここまで行けば怖くない。(いやいや)
今日はおまけもあります。(笑)






夕暮れ迫る頃、滝夜叉丸は昨日親当に手を引かれた場所に立っていた。
小平太には笑われた。
滝夜叉丸は律儀だな、と。
昨日見せた親当の微笑みは、本当に優しくて温かかった。
その笑顔を曇らせたくなかったのだ。
まだ蝉の声も大きく響く。
日暮が鳴くのはまだ先か・・・。
あと3日すれば、小平太ともに学園へ戻る事になる。
七松家の生活が余りに濃密で、楽しくて仕方ない。
「もう少し、居たいなぁ・・・。」
少し情けない自分の声に笑い、滝夜叉丸はあぜ道を見つめる。
「早く帰ってこないかな、ちか・・・・兄上。」
誰が聞いている訳でも無いのに、親当と言いかけたのを訂正する。
滝夜叉丸は律儀だな。
先ほどの小平太の言葉が耳によみがえる。
全く持ってその通りだ。
手持ち無沙汰な腕を回し、肩を解し始めた時おおきな声が響いた。
それは親当の声と、もう一つ野太い声。
そして、もう一つは・・・。
「ちかまさー、まてー。」
「誰が待ちますか!てか、京極さま生きてますかー!!???」
「ぶほぉう!く、ぐぐぐるじ・・」
「いけー、高将ー!親当を捕まえろー!」
「いい加減にしてください!京極さまが死にますから!」
必死の形相で走ってくる親当の後ろには、異様に大きな人影。
それは、大柄な男の背に乗り涼しい顔で笑う飴を咥えた男。
絶妙な腕の位置の所為で、飴を咥えた男を背負う大男は首が絞まっていた。
青白い顔で必死に走るのは、非常に怖い。
と言うか、これは一体どういった状態なんだ?
滝夜叉丸の頬が引きつる。
訳が分からない。
「あ、兄上?」
「た!!滝夜叉丸ぅー!!!」
負けず劣らず必死の形相で走りこんできた親当は滝夜叉丸の姿に、嬉しそうに笑って・・・。
「ぎゅっ」
「うひゃ!」
抱きしめられたかと思えば、そのまま担がれてしまった。
「ちょっと!兄上?」
「滝夜叉丸、夜夢に見るぞ!絶対後ろを見るなぁ!!」
いや、もう見ちゃったよ。
顔を上げてみれば、飴男の涼しい目元が滝夜叉丸を捉える。
間の抜けた表情をしているくせに、妙に食えない雰囲気。
(なんか嫌だ、この男。)
滝夜叉丸がそう思っていた頃、飴男も同じような事を思っていた。
「おい高将、あれは親当の弟か?」
「ぼそうへおうご」
「また一つ人として大切なものを失くしてしまったな、高将。言葉を忘れるとは・・・。」
「ぐるしいんだよ!」
必死にそれだけは叫ぶと、高将と呼ばれた男はすっ転んだ。
ずべべー。
飴男もそのまま地べたに顔面から落ちた。
「あ・・・。兄上、後ろの二人がすっ転びました・・・。」
「は?いい気味だ!だが放っておけないこの身分!」
悔しそうに歯を食いしばり、滝夜叉丸を下ろす。
「滝夜叉丸、すまないが孝廉にいつもの客が来たと伝えてくれ。それで分かるから。」
「え、ああ・・・はい。分かりました。」
戸惑いながらも微笑んで頷く滝夜叉丸に、親当の頬が緩む。
「んー。いい子だー。」
ぐりぐり~。
褒め殺しを頂いた時、感じた不穏な空気。
うわー、見たくない。
親当の背越し、恨めしげなグズグズの顔の飴男など。
「ちーかーまーさぁー・・・・。」
大きく嘆息し、その情け無い声を振り返る親当。
「あー、もう。そんな無茶を京極様にさせるからですよ!」
やれやれと言った顔で笑う親当を見ると、心底嫌がっているわけではない事が滝夜叉丸にも分かった。
「顔が痛い・・・」
「そりゃそうでしょう。盛大にすりむいてますからね。ほら立って。」
「立てないー。」
「その傷に塩すり込みますよ。孝廉が。」
「!!」
どうやらこの飴男、孝廉が苦手らしい。
「細川様の前に、京極様が大変ですよ。」
「大丈夫だよ、高将は武官だよ?鍛えてんだから!それに比べて私は細腕の文官なんだよ?」
可哀相なフリをして涙を浮かべた飴男に、親当は眉を下げ困った顔で笑う。
「はいはい、分かりました。ほら、手を出して。」
親当が飴男を引っ張り上げた時、また滝夜叉丸と目が合う。
ニッ。
悪戯が成功したと言わんばかりの笑みを浮かべた飴男に、滝夜叉丸はあきれ返った。
(早く孝廉さんに伝えよう・・・。)
滝夜叉丸は親当が朝愚痴ていた気持ちが、ほんの少し分かった気がしたのだった。



おまけは、職場での兄上と飴男と高将と呼ばれた大男の4コマです。(^^)


seisetu.jpg










ちょっと最後の線が、酷く曲がってる事に、スキャンしてから気付きました。(^^;)
親当の二人の上司。
頭弁(とうのべん)の、細川 晴雪(20)
頭中将(とうのちゅうじょう)京極 高将(34)
でした。(^^;)

本当もうここまで来たら、オリジナルすぎて笑えてしまいますね~。
すみませんー。

あ、お兄ちゃんの上司はこんな感じでしたーTさま(笑)。
ちなみに、お兄ちゃんと上司の関係勘ぐってください。(爆笑)
多分晴雪の片想いですけど。(^^)
これをメルフォのお返事代わりに捧げます。(^v^)

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忍たま出戻り組。以前は伝半・清団でしたが今回はこへ滝にすっころぶ。その勢いで文三木や長仙・留伊・雑伊が気になり始めました。(気が多い)
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