あーもー、話しが何だか進まなくなってきました。(笑)
えーっと、お兄ちゃんと上司達が入り混じって煩い感じですが、いいですか?(^^;)
今日は週末なので、小話もう一本頑張れたら、魔滝の続きのこへ滝でも書きますので。
捏造もうお腹いっぱいこっぱいな方は、そっちを読んで頂けたらと思います。(^^;)
あははー無理でしたぁ。(^^;)
明日頑張りますー。(TvT)
「ちかまさーん、この魚骨多いしちっこいよ。」
「贅沢言わないでくださいよ!ウチは貧乏大家族なんですから!」
「親当!酒が美味いなぁ!お、お前も飲め飲め!」
「ちょっと京極さま!滝夜叉丸に酒を勧めんで下さい!大体それ家の酒ですよ!」
わーわー騒ぐ親当の上司。
それに一々突っ込みを入れていく親当。
何だろう。
見てるだけで疲れる・・・。
「あいかわらずだなぁ。」
この様子は一体いつから恒例になっているのか。
小平太が懐かしそうに見つめる様に、滝夜叉丸は親当の苦労を慮った。
何だかんだと文句(甘え?)をつけながらも、美味しそうに飯をかっ食らう飴男。
滝夜叉丸の視線を感じ、たくあんを齧りながらじっと見つめ返してきた。
「どうした?滝。」
箸を止めた滝夜叉丸を覗き込む小平太の頬に、ご飯粒。
いけ好かない飴男など無視し、滝夜叉丸はその子供っぽい笑顔に吹き出す。
「先輩、ほっぺたにご飯粒ついてますよ。」
「ん?どっち?もういや、とって滝。」
「諦めるの早く無いですか?」
くすくすと笑いながら手を伸ばすと、寸前で飛び出してきた箸に先を越された。
「おこちゃまだなぁ。」
飴男だった。
(な!何だこいつ!!!!)
思わず引きつる頬、滝夜叉丸リミットブレイク。
怒りで困惑状態だ。
にたぁと笑う飴男。
「あ、どうもすみません!」
あはは~と、人の気も知らず鷹揚に笑う小平太。
いやいやいや、可笑しいよ!
普通そんなことで張り合ったりしないから!
困惑が収まらない。
もごもごと口を動かしながら、相も変わらず飯を食う飴男にふつふつと怒りが湧き上がる。
何だろう、七松家とは違う感じで調子を狂わされる相手だ。
どたばたの食事が続く中、先に食事を終えた両親が座を辞した、
その瞬間。
「はいはーい、そこの大男と我侭坊ちゃんそこに座りなさ~い。」
ニコニコニコニコニコイラニコニコ
でた・・・・。
小平太が自分の膳を引きながら壁へ向かい後ずさる。
滝夜叉丸もそれに習い、小平太と共に壁側へ非難した。
「あ、あの先輩・・?」
「滝、もう大分分かってきてると思うけど、家で一番怖いのは孝廉兄だから。」
にっと笑い、小平太はいつの間にか確保していたお櫃からおかわりをついでいる。
大きくてすっぱそうな梅干を乗せて美味しそうに食べる姿は、滝夜叉丸の胸をキュンとさせた。
「先輩・・・何だか可愛いです。」
小さく呟いた言葉に相好を崩す。
「そんな事言ってくれる滝夜叉丸が可愛いんだけど。」
ちゅっと頬に口付け、小平太は照れ隠しの笑顔を浮かべた。
その時。
「ちかまさー!!孝廉怖い!」
「親当!孝廉が叩く!」
「た、孝廉!堪えろ!お兄ちゃんの出世の為に!」
「兄上、堪えろ!私の心の平穏の為に!」
あの小柄な身体のどこにあんな力があるのか?
孝廉は飴男と大男の頭を鷲掴みにして、互いの頭をぶつけた。
ぐりぐりぐり
「「うごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」
痛みで悶える二人のバカ・・・・上司達。
隣で青くなる親当。
ちらりと見れば、何も気にせず飯を食う小平太。
一人この場に馴染めていない気がした滝夜叉丸は、とりあえず気にせず食べようと思った。
目の前の惨劇など、気にする方がアホらしい。
ずずっと味噌汁をすすると、たっぷり入った茄子が思いのほか美味くてホッとする。
しかし。
「うるさい・・・・・。」
滝夜叉丸が風呂から上がると、食事と騒動が一段楽していた。
小平太は入れ違いで風呂へ向かう。
すれ違いざまにちょっかいを出され、顔を赤くしたまま戻れば大男と孝廉が飲み比べをしていた。
親当は飲めない酒を飲まされたのか、既に意識朦朧としながら何か笑っている。
そして、天敵・・・っぽい気がする飴男。
滝夜叉丸の姿を見ると、退屈していた顔がぱっと明るくなった。
うわ、凄くいやだ。
しかし、どう見ても小平太が上がってくるまではこの男と一対一になりそうだ。
滝夜叉丸は大きく嘆息して飴男の隣に座った。
「お前は小平太の学友らしいな。」
「後輩です。」
「そうか、どうりで。」
「何です?」
「お前だけ毛色が違ったからな。親当の弟では無いと思ったんだ。」
「・・・・そうですか。」
何故だろう、こんなに傷つくのは。
確かに血が繋がった兄弟ではない、でも親当たちは本当の弟として扱ってくれていた。
分かっている事とは言え、こうもきっぱり言われるとやはりグサリと来るのか。
「そう怒るなよ、私はお前を嫌ってる訳じゃない。」
先ほどとは違い、何の含みも無い笑みを浮かべた飴男。
一体何が言いたいのか。
滝夜叉丸は勘ぐるように顰めた顔で見上げる。
その表情に笑みを増した飴男は、ワシワシと滝夜叉丸の頭を無遠慮に撫で回す。
「お前は私と同類だ。気を許せる相手も、安心できる場所も知らず、常に腹の探りあいの中で生きてきた。」
「なっ!」
バッと頭にかけられた手を払うと、そこには最初に感じた食えない男の薄暗い目。
涼しげな瞳の奥にあるのは、怜悧な眼差し。
「俺たちのような者はな、こんな明るい場所に惹かれてしまう。」
そう言うと、酔いつぶれる親当に視線を向ける。
その顔は優しい。
「単純明快、大らかで明け透けで。好ましいことこの上ない!なぁ!」
にっと笑った飴男・晴雪。
もう一度滝夜叉丸の頭をなでると、悪戯な目が覗き込んできた。
「ちなみにお前さっきから小平太に俺の事飴男といっていただろう?」
肩を揺らして笑う晴雪。
ばつが悪そうに顔を顰めた滝夜叉丸の肩を叩き、まあいいさ!と飴を差し出す。
「この飴美味いぞ。ちなみに、お前にだけ俺の字教えてやるから飴男は卒業させてくれ。」
「・・・・・・どうしてですか・・・・?」
「え?飴男って酷くない?卒業させてよ。」
「そ!そうじゃなくて!・・・なんで私に字など教えてくださるんですか?」
どこか掴みどころの無い晴雪の話に、滝夜叉丸は疑問だらけでぐったりしてくる。
親当は毎日こんな男を相手しているのか。
滝夜叉丸は明日肩でも揉んでやろうと、心に決めた。
「簡単な話しさ、俺がお前を気に入っただけの事。居心地のいい灯りに群がった虫同士、仲良くしようや。」
そう言うと、晴雪は右手を差し出す。
灯りに群がる虫。
その表現が、妙にしっくり来る。
ここに来て以来感じていた居心地のよさ。
誰でも受け入れてしまう、大らかな人たち。
それは今まで自分の知らなかった家族の姿。
この男も、同じだったのだろうか。
親当を通じ、この家族に受け入れられて。
だがその儚さをどこかで感じていて、その刹那ゆえの安息に一時の救いを求めている。
いつか終わるものだと知りながらも、縋りつく虫。
ならば。
ギュッと握り返してきた滝夜叉丸に笑みを深めた晴雪は、声を落として呟く。
「俺の字はな、雪夜だ。」
「せ、雪夜さん。」
「ん、滝夜叉丸には私が字をつけてやろう!」
「は!?」
「いやぁ、一回人に字を贈りたかったんだよねー。」
「そんなの兄上にでも贈ってください。」
「親当には却下されちゃった★」
「・・・・・・・・適当なのつけたんでしょう?」
「まっさか!三日三晩寝ないで仕事もしないで考えたんだよ!?」
「いや、仕事はしてくださいよ。」
一体どんな字を贈ったのか。
「あ、ちなみにね。高将の字はね!」
「豚馬(とんま」
酷い!酷すぎる!
考えるな、私の字など考えないでくれ!!
滝夜叉丸は青ざめた顔で腰を上げる。
「わ、私はもう休ませていただきますすすすすす!」
「思いついたー!!!!」
「いやー!思いつかなくていいです!」
「滝夜叉丸はねー」
「言うなぁ!!!!!」
こうして七松家の煩い夜は明けていくのでした。
スイマセン本当。(^^;)
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