用具委員会委員長の食満留三郎は、武闘派で有名だ。
しかし、それは彼の一部でしかない。
そう、彼のまた別の一面には武闘派とは程遠い顔がある。
「よーっし!お前たちぃ、おやつにするぞー!」
「わーい!今日は何ですか?食満先輩!」
「ナメクジさんたちの分もありますかぁ?」
「・・・・楽しみー。」
「委員会始まって、まだそんなに経ってないんですけど。」
って、言っても無駄だ。
そんな事分かりきってるのだけど、とりあえず言わずにはおれない。
どうにかして欲しい、あの緩みきった顔。
先輩先輩と1年生たちに囲まれて、嬉しそうにしすぎです。
本当にあきれてしまう。
たった5歳の年齢差なのに、あんなにも愛情を注げるのはすごいと思う。
きっと言いお父さんになりますよ、食満先輩。
「作兵衛!お前も早く来い!」
満面の笑みで呼ばないでください、恥ずかしいです!
俺は今、微妙なお年頃なんですから!
無視するわけにもいかず、とりあえず歩み寄ればしんべヱの鼻水がたれていた。
これだからいやなんだ・・・。
「しんべヱ!鼻がたれてるぞ!ほら、かめ!」
ちり紙を当てれば、素直に鼻をかんだ。
「へへ、ありがとうございます!富松先輩!」
にへらぁっと可愛くない笑顔で言われても嬉しくない!
絶対に嬉しくない!
「やさしいなぁ。作兵衛は。」
あんたの頭は膿が溜まってるのか?
いやだいやだ、こんな委員会。
来年は別の委員会に入ってやる!
こんな委員長のいない委員会は、きっとつまらないからな!
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