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錆浅葱

小話とアニメ感想
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哀れな想い

今日は、下克上シリーズです!
8/28の続きだと、思って下さい。
R-18ですので!
お気をつけ下さい。^^



ちなみに今日は、捏造キャラ絵チャなんだZE★
うひょひょvv

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文三木


「三木ヱ門」
「はい、帳簿は全てそろえてます。」
「そうか、では」
「安藤先生にもお伝えしました。」
「すまんな。」
「いえ、構いませんよ。これくらい。」
にっこりと嬉しそうに微笑む。
その笑顔を見つめ、文次郎は満足そうに頷いた。


「何だか長年連れ添った夫婦のようじゃないか?」
興味なさそうに呟いた仙蔵の言葉に、伊作は苦笑を漏らす。
「そうだね。とにかく三木ヱ門は文次郎の事よく分かってるよね。」
「ああ、まるで阿吽の呼吸だ。『おい』って言ったら、『ハイあなた。』ってお茶が出てきそうだ。」
その一言で、伊作は声を上げて笑う。
「あははは!その光景が目に浮かぶよ!」
思った以上に伊作から笑いを取れたことに、仙蔵は満足げに微笑む。
「だってそうだろう?文次郎の言いたい事全部先回りしてさ。」
「ん、そうだね!あの二人ずっと会計で一緒だよね。もう4年も。」
「なかなかに珍しいよな。」
ぼんやりと縁側で雑談していた二人の側、片づけを終えた文次郎が歩み寄る。
「こんな所で何油売っているんだ?」
10キロそろばんを抱えた文次郎を見上げ、二人は今しがたの会話を思い出す。
そして。
「ぷっ!」
「おい伊作、目の前で笑うのはいくら文次郎相手でも失礼だぞー?例え文次郎が相手でもな!」
「お前達、けんかでも売ってるのか!」
苛立ちを見せた文次郎を座らせ、長次の土産の団子を差し出した。
「まあまあ。団子でも食って気を落ち着かせろ。」
にっと笑う仙蔵の勧めを断れず、文次郎は三食団子を忌々しげに頬ばる。
「ごめん、文次郎。今仙蔵とね、文次郎と三木ヱ門ってまるで熟年夫婦みたいだねって話してたんだ。」
「そうだ!お前と三木ヱ門は言葉を交わさずとも、阿吽の呼吸で察している。それが凄いと話していたんだ。」
二人の言葉に、文次郎はしばし考え込む・
「やはり、間違ってなかったのか・・・。」
ポツリと漏れた文次郎の言葉。
意味が分からない伊作と仙蔵。
文次郎はにやりと笑う。
「三木ヱ門が1年生の時から刷り込んでいたのさ。あいつ自身にも気付かれないようにな。俺の呼吸を!」

「「は!!??」」

その言葉の意味をきちんと把握できない二人は上ずった声で驚く。
文次郎はにたぁりとわらう。


「幼いころから目を付けて、自分好みに育て上げる!これぞ男のロマン!紫の上プロジェクト!!ギンギーン!!」



うはははっは!っと、得意げに踏ん反り返る文次郎。
そんな同級生の気持ち悪い姿に、二人はドン引き。





「「うわぁ、最低。」」



季節違いの寒風が吹きぬけた。

長仙


夏休み明け、すぐに涼しくなった日の事。
夕暮れにひぐらしが鳴くも、肌冷えさえする今日はどこか季節違いのような気がする。
決してひぐらしが間違っているわけでは無いのに。
どこかぼんやりと夕焼けを見つめる仙蔵の頭を、長次の無骨な手が撫でる。
さらりと手触りのいい髪を2・3度撫でてやると、切れ長の美しい目が細められた。
その嬉しそうな様は、花が開くようだ。
「退屈か?」
「全くもって全然!退屈なんか感じやしないさ。」
微笑を浮かべた仙蔵の手が、長次の手を捕まえる。
「ただ、出来る事なら・・・」
じっと上目遣いで長次の表情を探りながら、捕まえた手に口付けた。
「ちょっとは構って欲しいかな?」
積み上げられた本にも嫉妬してしまう。
仙蔵の悪戯な眼差しは、照れ隠しであると知っている。
甘えたがりの癖に、意外と我侭を言わない仙蔵。
本の整理に精を出す長次にも、いくら待たされたとしても文句を言わないのだ。
「すまん、もうすぐ終わる。」
「ふふ、いいさ。気にして無いよ、私はお前と一緒ならそれだけで幸せだから。」
そっと仙蔵の手を解き、その頬にそえる。
滑らかな肌を撫でると、うっとりと目を閉じる仙蔵。
長い睫毛が震え、微笑む。
「そんな顔をされてはたまらない。」
ポツリと呟き、長次は笑みを称えた唇を塞いだ。
「長次、大好き!」
にっと笑う仙蔵は、いつもの大人びた顔を捨て歳相応の笑顔。
「もう少し、かかる。」
「今のでもう少し待てるさ。」
ニコニコとご機嫌の仙蔵は、頬杖をついて鼻歌を歌い始めた。
仙蔵にしか分からない程度に苦笑した長次の口元を見つめ、そっと自分の唇に指を伸ばす。



(終わったら、もうちょっと深いのくれるよな?)

あえて言わせてもらおう!!!!



『平滝夜叉丸であると!!!!』


FUHAHAHAHAHA!
FUHAHAHAHAHAHAHAHA!!

「滝夜叉丸先輩どうしっちゃったんですか?」
戦々恐々の面持ちで、金吾は小平太に問うた。
「ん?ちょっと褒めてあげたら、なんか喜んでくれたみたいでね。」
あははーと暢気に笑う小平太に、金吾は呆れたように項垂れる。
「何で自慢癖が助長するような事仰るんですか?」
「何か落ち込んでたからさ~。」
「ええ!?あの滝夜叉丸先輩が!!??」
信じられないと言った驚愕の表情を浮かべた金吾に、小平太は不思議そうに首をかしげる。
「こら金吾、滝夜叉丸も私も人間だぞ?人並みに落ち込む事もあるさ。」
珍しく叱る小平太に、金吾は目を丸めて首をすくませた。
「す、すみません・・・・・。」
しゅんと落ち込むその頭を撫でてやる。
「金吾だって落ち込んで静かな滝夜叉丸より、いつもあんな滝夜叉丸の方が良いだろう??」
それはそうだ。
「でも静かな滝夜叉丸先輩は、綺麗です。」
「・・・・・・・・・そうだなぁ。」
金吾の好意の種類を探り損ねた小平太は、曖昧な返事しか出来ない。
母親のように慕っているだけか?それとも小さなライバルか。
ちらりと横目で盗み見れば、じっと滝夜叉丸を見つめるまっすぐな目。
「こりゃうかうか出来ないな・・・・。」
ポツリ呟いた小平太の言葉の意味を知るのは、金吾が3年生になった頃だった。


ちなみに、落ち込み滝を慰めるこへの図。↓

JKThIhwBAAAE1K49FHXZ.png






いい子いい子、君はいい子。

滝夜叉丸の夏休み最終回


とうとう滝夜叉丸の夏休みも、最終回です。(笑)






学園へ帰る日の朝、明らかに落ち込んでいる親当。
朝食の準備をするその背中には、哀愁が漂っている。
しかも。
「滝、お前まで酷い顔になってるぞ。」
苦笑をもらした小平太の眼下、見るからに寂しそうな顔で俯く滝夜叉丸の姿。
「だって・・・・。」
「また来年おいで。」
自分の育った家庭を気に入ってくれた事が嬉しい小平太は、優しくその頭を撫でてやる。
その袖をちょんと握り、じっと見上げる目は少し潤んでいた。
「絶対ですよ・・・・。」
「勿論、私は約束を破った事は無いぞ。」
「知ってます。」
そっと肩を抱き寄せてやれば、小平太の胸に顔を埋めてじっと寂しさを堪える。
その姿がまた愛しい。
「ほら、兄上には笑顔で接してくれ。」
「・・・・・はい。」
ごしごしと袖で涙を拭い、顔を上げた。
きゅっと結んだ唇と、キリッと上がった眉。
深呼吸を二回。
「おはようございます!兄上!」
にっこりと満面の笑みで土間に下りる滝夜叉丸に、親当の目は潤む。
「滝夜叉丸ー・・・・。」
「ほらほら、まだ泣くんじゃないですよ兄上。」
孝廉のなぐさめに頷いて、親当は必死に笑う。
「酷いですね、その顔。」
「孝廉!」
「あははー、ほら兄上滝夜叉丸も笑いましたよー。」
茶化した孝廉の言葉通り、滝夜叉丸も自然に微笑む。
その笑顔につられ、親当も微笑んだ。
「今日の朝ごはんは奮発したぞ!いっぱい食べていきなさい。」
「はい!兄上!」
元気の良い返事に相好をくずし、親当は白米を山盛りによそった。



出発の時、見送りに出た七松家の面々。
初めに葉菜代が泣き出し、一気に別れの寂しさが募った。
「小平太、滝夜叉丸、二人とも元気でな。」
「はい、兄上。」
にっこり笑って答える小平太の隣、俯く滝夜叉丸の頭をそっと親当が撫でる。
「元気でな。また帰っておいで。」
その言葉に、とうとう我慢できなくなった滝夜叉丸が泣き出した。
「あ、兄上ぇ~・・・・・」
「た、滝夜叉丸ぅー・・・・」
「あーあ。」
「泣いちゃった。」


「「うわぁぁぁぁん!」」






帰りの道中、小平太は滝夜叉丸をなだめる事に尽瘁した。

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プロフィール

HN:
ハヂ
性別:
女性
自己紹介:
忍たま出戻り組。以前は伝半・清団でしたが今回はこへ滝にすっころぶ。その勢いで文三木や長仙・留伊・雑伊が気になり始めました。(気が多い)
毎日夕方10分間の為に、色々と頑張れる。

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